Vol.3『住まい購入の流れ① 希望条件は明確に!』
『ツキノキ先生と語る 家さがし対談』
家探しを始めるにあたり、「何から始めたらいいの?」「いくら貯めたらいいの?」など、様々な疑問が浮かんできますよね。
『ツキノキ先生と語る 家さがし対談』では、長年宅地建物取引士として活動し、数多くのお客様とかかわってきたツキノキ先生に、家探し中、特に中古住宅をお考えの方に役立つお話や業界の裏話など、様々なテーマで質問してみたいと思います。
第2回→『広島市で子育てしやすいエリアはどこ?① 保育園選び』
第3回となる今回のテーマは、『住まい購入の流れ① 希望条件は明確に!』です。
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家探しを本格化させる前に、『住まい購入の流れ』をお話していきましょう。
私は家探しで家族の意見もまとまらず困っています。具体的に家探しをするときに、どこから
決めていけばいいでしょうか?いろいろありすぎて、優先順位が解らなくなりました。
まず家探しを始めるに当たって、ご家族の希望条件を明確にすることが大切です。
私はできれば戸建ての広い家が希望ですが、主人は通勤しやすい駅近くのマンションが希望です。
まずは、大きく分けて住まい本体の「居住空間条件」とそれを取り巻く「環境条件」のふたつを整理してみましょう。
それぞれの具体項目を書き出して、優先順位をつけて下さい。その中でベスト3に当てはまる物件があれば、本格検討していきましょう。
「居住空間条件」って例えばどんなものですか?
はい、「居住空間」とは、建物のタイプや間取りや床面積といった項目です。
具体的には、戸建てもしくはマンションの選定、部屋数と部屋ごとの広さをどこまで取るか、家族数
と将来の同居人数の計画から住まいのボリューム条件を決めましょう。
住まい選びで悩むんですが、部屋数とか床面積の目安はどうしたら良いのですか。
そうですね、まず住まいは長い期間で検討しなくてはいけません。最低10年単位で家族計画を立てて下
さい。子供が一人なのでもう一人は欲しいとか、親が一人になった時は一緒に住むように話しているとかで必要部屋数が決まります。
注意する事は、間取りを見るときに、部屋数だけでなく収納量の確保が大切です。
引越はするが、ピアノやひな人形セットは実家に置いたままでは良い選択とは言えません。
家族の収納量を必ず確認しておき、何を持って行き何を処分するかをある程度は決めておきましょう。
そうですね、片付けたくても今は賃貸マンションで収納できるスペースが足りないのが実情です。そうしたら、ますます大きな住まいを選ぶようになったりして。予算オーバーに成りそうですね。
そこで断捨離が必要なんです。お引越しが決まってから片付けられる方が多いですが、
住まい探しを始める段階で、手持ちのものの選別と将来、必要で購入するものを確認しておきましょう。
その量で間取りを検討すると、無駄なく、無理のない広さの家が探せます。
目安として主寝室で8帖、子供室で4帖半+収納で計画して下さい。
4帖半の子ども部屋だと狭くないでしょうか?小・中学生くらいまではリビング学習で、子ども部屋は
寝るだけの部屋でもいいと思いますが、受験期などにはやはり勉強机や本棚も必要になるでしょうし…
部屋の形状にもよりますが、一般的な真四角の4帖半の部屋であれば、この程度置けるんです。
シングルベッドと勉強机、本棚は無理なく置けそうですね。たしかに広いとは思えないかもしれませんが、最低限、4帖半あれば一通り置けるということだけ押さえておいてください。
こちらも部屋の形状によりますが、主寝室6帖でも、ダブルベッド1台は問題なく置けますよ。
通路が狭くなりますが、シングルベッド2台を置けないこともないですね。
8帖の主寝室は、シングルベッド2つとしても余裕がありますね。
シングルベッド2台とデスクも置けそうです。
子供部屋は4.5帖でもけっこう置けるんですね!あまり居心地のいい部屋だとこもって出てこない、とも聞くので、子供にとってはこのくらいでも十分かもしれません。
子供は2人欲しいと思っているので、8帖1部屋、4.5帖2部屋、ですかね。
子供部屋に大きなスペースを割くより、家族の共有スペースを広く確保する、と考えた方が賢いかもしれませんね。共有スペースとしては、キッチンやダイニングが独立タイプのものもありますが、LDKで合算するとマンションではLDKは16帖くらい、戸建てでは18帖くらいの物件が多いです。
ご夫婦2人、お子様2人で考えれば、戸建てて30坪前後(約100㎡)で探される方が多いですね。
マンションの場合、(メゾネットタイプを除いて)階段がなかったりトイレが1つで済む分、10㎡くらい小さくてもいいかと思いますが、実際には3LDKで90㎡以上の中古マンションは少なく、70㎡~80㎡くらいが多いですね。
子供に個室が必要な期間は限られますもんね…共有スペースが広い方がいいかなあ。
それから、台所周りの収納スペースもポイントです。冷蔵庫、電子レンジ、炊飯器、ポット、トースター、コーヒーメーカー等とカウンタースペースが必要です。それが収まらずに食卓テーブルに置いたりしていませんか?
お手持ちの冷蔵庫を引っ越し先に持っていくのでしたら、ドアの開き勝手のことも考えてください。
コーナーに置いたら冷蔵庫のドアが開ききらなかった!という話も聞きます。
冷蔵庫は大きなサイズに買い替える可能性もあるので余裕を持った設置スペースが必要です。
効率よく検討するには、今、お持ちの家具類の寸法を事前に測っておいてリスト表にまとめておくと便利です。
そういう事前準備も必要なんですね。
もう一つ「環境条件」も注意して下さい。
具体的には、ご夫婦の通勤条件(公共交通機関のみかマイカーOKか)に合うか、お子様の通学エリア内かどうか、買い物や病院、銀行は行きやすいか、また趣味で、ガーデニング等のアウトドア派か映画鑑賞等のインドア派かを書き上げて優先順位を決めて下さい。
子供を保育園に入れたら、私も働きに出るので、理想はお互いの勤務地の中間辺りですかね・・・。
私は実家のある安佐南区が希望でしたが、先日のお話で安佐北区の辺りもいいなと思いました。主人はまだ駅近くのマンションの方がいいな、と言っていましたが、内覧に連れ出して説得したいと思います(笑)。
戸建てかマンションか、というのはまた改めてこの対談でお話しましょうね。
ここで重要なのは、家族の中で充分な話し合いの時間を取る事です。
新しい住まいでの、楽しい生活を共有して想像できるようになれば良い物件だと思います。頑張って探していきましょう!
まずは断捨離から頑張ります。(笑)
≪最後にひとこと≫
住宅購入条件を「居住空間条件」と「環境条件」に分け、それぞれで具体的な項目を出して優先順位を設定し、各物件に当てはめてベスト3の項目がある物件を本格検討する。今手持ちの家具寸法を測っておくと間取りを検討する時に便利です。家族で充分に話をして、生活感を共有しておくことです。
次回は、『住まいの悩み第一位!?収納問題』というお話をします。